Amazonのサイトでは、多くの商品が取引されています。その数は1億点にもなるとか。商品の多彩さも目を引きますが、Amazonならすぐに思い浮かぶのが「物流革命」です。
超大型の配送センターにぎっしりと荷物が詰め込まれ、そのなかをピックアップマシーンが行き来する映像を見たことがある人も、多いのではないでしょうか。
それが全て、商品の安さに繋がっています。どうしてそれらの理由によって安くモノを売れるようになるのでしょうか?
Amazonの価格構造について見ていきましょう。
人件費のコストカット
Amazonの配送センターでは、ピックアップ作業を担当する大勢のスタッフが働いています。そんなスタッフの横を、時折ピックアップマシーンが通り過ぎたりします。
人間が持てる以上の荷物を載せて、広い倉庫の端から端まで移動して、目当ての荷物をピックできるこのマシーンが、人件費を抑制します。
また、人為的なミスが起こりにくいので、作業効率も抜群の働き者です。
24時間365日、フル稼働をするこの機械は、休みたいとは言わずに荷物を選別し続けます。このようにIT化されたピックアップが可能になることで、在庫管理の人件費を大幅に抑えることができています。
流通費のコストカット
同じことが、流通の分野にも及んでいます。Amazonは、巨大流通配送センター(フルフィルメントセンター、FC)を日本の各地で展開しています。
顧客の受発注はオンラインでFCに流れ、倉庫内にある在庫が直ちにピックアップされます。ピックアップされた商品はこのFCから出荷指示がだされて、出荷されていきます。
配送業者は、AmazonのFCから一括で荷物を引き上げることができます。
つまり配送業者は、あちこちから集荷をする必要がなく、AmazonのFCから直行で拠点の営業所まで、荷物を転送するこが可能となります。
さらにはその荷物の数量も膨大なため、一点一点の個数あたりの配送料が、通常の配送料とは違い、低く設定されます。
荷物の数が多いほどコストが安くなります。これはスケールメリットと呼ばれます。流通にかかるコストを削減できているのは、Amazonの巨大なFCシステムによります。
Amazonサイトによる集客力
Amazonのサイトそのものが、突出した集客力を持っている点も価格に転嫁されます。
Amazonは、特定の店舗のピーアールや、特定のメーカーの商品を推すのではなく「Amazonが取り扱っている商品を売る」という戦略をとっています。
「おすすめ商品」などをどんどんと表示し、どんなメーカーの商品でもお勧めしてきます。
Amazonのサイトをなんとなく見ているユーザーも、思わず気になる商品に出会ったりして、そのまま購入しちゃう、ということも多いものです。
またAmazonレビューという独自の規定で書き込みが可能な商品レビューも、ユニークです。
たとえば楽天なら、自分が購入した品物にしかレビューを付けることができません。
そのレビューも、店舗毎のレビューに分かれているため、「一つの商品として」まとまったレビューを見ることが出来ません。
ところがAmazonでは、一つの商品はひとまとめにして、レビュー閲覧が可能です。しかも実際の購入者ではなくても、レビュー投稿することができます。
>>Amazonのレビューを書くメリットは?書き方のコツと共に紹介!
この機能がユーザーに受けて、購入を決め兼ねている商品のレビューに誘導します。レビューを見たユーザーは「このままAmazonで購入しちゃえ」となり、Amazonにとっては収益に繋がります。
Amazonのサイト運営自体が、一つの宣伝広告として機能しているといえます。
マーケットの多様性
Amazonのサイトには、Amazon.co.jpが販売する商品の他に、マーケットプレイスと呼ばれる商品取引が存在します。
マーケットプレイスとは、個人間や、企業と個人との自由な取引の場のことを指します。
Amazonはマーケットプレイスの場を用意し、個人や企業を出品者として呼び込んで、更に取り扱い商品に多様性を持たせています。
マーケットプレイスで取り扱われる商品は、新品とは限りません。中古品や廃盤の商品、骨董品まで、実に多彩な商品が出品されています。
こうすることで「Amazonに行けばあの商品が見つかるかも」という期待を、ユーザーに持ってもらうことができます。
また実際に購入に結びつけば、マーケットプレイスの出品者からはサイトの利用料が徴収できるので、Amazonの収益にも繋がります。
このようなサイトの多様性が顧客の数を増やし、薄利多売によるメリットを得られることになります。
>>Amazonマーケットプレイスとは?保証や商品の見分け方、返品まで全て解説!
Amazon安さのまとめ
Amazonの商品が安い理由は、様々な方面に効率化を施し、コストを安く抑えるシステム運営の結果といえます。
IT制御されたピックアップマシーンの活躍が、人件費を抑制しています。膨大な在庫を巨大な配送センターに一括集約することで、配送のコストを抑えています。
また取り扱い荷物の多さによって、スケールメリットが働き、個々の荷物の配送料の単価を下げています。
Amazonのサイトは独自の方法を使い、ユーザーの集客力を確保しています。様々な商品を「おすすめ」に表示させ、また第三者のマーケットプレイスから出品される商品も併せて、多彩な商品を確保することで、ユーザーの購入回数を増やすことに成功しています。